日本国内のビールマーケットが17年連続で縮小するなか、2021年、クラフトビールの販売量は前年比200%という驚異の成長ぶりを見せました。

日本はクラフトビール後進国といわれてきましたが、一過性の流行から文化として定着する日もそう遠くないかもしれません。

ところで、軽井沢町が「クラフトビールのメッカ」と呼ばれていることをご存じでしょうか。

大手のブランドだけでなくマイクロブルワリーも次々と誕生し、軽井沢のクラフトビールシーンはまさに百花繚乱。

ブルワーの情熱が生み出す個性豊かな一杯を堪能できます。

 

進化し続けるジャパニーズクラフトビール

軽井沢でクラフトビール文化が花開く以前、ジャパニーズクラフトビールはどのような歴史を歩んできたのでしょうか。

幕開けは1994年の酒税法改正でした。

年間最低製造量が2000キロリットルから60キロリットルに引き下げられたことで中小メーカーの参入が可能となり、日本各地でクラフトビールが誕生しました。

それから四半世紀の時が経ち、ビールの定義そのものが変わりました。

2018年の酒税法改正で、果実や香辛料、ハーブなどの副原料を使ったものもビールとして認められるようになったのです。

これにより、ビールも多様性の時代を迎えました。

ブルワーたちは感性のおもむくままに未知の味を開拓し、ジャパニーズクラフトビールの世界は果てしない広がりを見せています。

 

軽井沢町がクラフトビールのメッカになったワケ

クラフトビールの躍進がめざましいとはいえ、2017年時点で国内ビール業界におけるクラフトビールのシェア率はわずか1.1%でした。

ところが、軽井沢町ではシェア率なんと約30%!

いかにクラフトビール文化が浸透しているかがわかりますね。

その道筋をつくったのは、看板商品「よなよなエール」で知られる「ヤッホーブルーイング」。

1997年に創業(本社:軽井沢町)し、日本のビールの歴史を変えたといわれる先駆的ブルワリーです。

ヤッホーブルーイングが軽井沢町にクラフトビール文化の土壌をつくり、その後、2013年創業の「軽井沢ブルワリー」(所在地:軽井沢町、本社・工場:佐久市)やマイクロブルワリーの参入によって枝葉が広がりました。

醸造所を併設した「ブルーパブ」も続々とお目見えし、軽井沢町民にとってクラフトビールは身近な存在となっています。

 

軽井沢には、名峰・浅間山で磨かれた水によって質の高いクラフトビールを製造できるという地勢的メリットもあるでしょう。

また町内にはハイクラスな飲食店が多く、料理との秀逸なペアリングを楽しめるという点も、クラフトビールのシェア率を高めたのかもしれません。

軽井沢が持つさまざまなバックグラウンドが、クラフトビール発展の後押しをしたものと考えられます。

今や軽井沢は「クラフトビールのメッカ」として知られ、多くの旅行サイトや観光協会でも「軽井沢ブルワリーめぐり旅」が企画されるほど。

クラフトビールに馴染みがないという方も、軽井沢でその魅力に開眼するかもしれませんよ。

【出典:きた産業株式会社「日本のクラフトビールの動向」
【出典:ヤッホーブルーイング「軽井沢のクラフトビール事情が凄かった【クラフトビールの街 軽井沢:第1回】」

 

押さえておきたいクラフトビールの種類

いざ、軽井沢のブルワリーめぐりへ!…とその前に、クラフトビールの種類について少しご紹介しておきましょう。

クラフトビールは大別すると「ラガー」と「エール」の2種類に分けられます。

発酵方法の違いです。

下面発酵のラガーはのど越しのよさが特長。

品質を一定に保ちやすく、国内で流通しているビールの99%がラガービールです。

一方、上面発酵のエールビールは、香りやコクを楽しむビールなのでキンキンに冷やさず、ややぬるめの温度で味わうのがおすすめです。

ラガー、エールの中にも数多くの種類があり、合わせて100種類を超えるといわれています。

その中でも代表的なビールをご紹介しましょう。

相性のいい料理も書き添えますので、参考になさってください。

【参考:国税庁「お酒に関する情報」

 

日本のビールといえばコレ!「ピルスナー」(ラガービール)

ビール市場の95%以上を占める、「日本のビール」の代表格。

大手ビール会社で製造されているビールのほとんどがピルスナーですが、マイクロブルワリーでも製造されています。

美しい黄金色とクリアな味わい、爽快な飲み口が特長です。

■おすすめペアリング
ソーセージ
唐揚げ

 

ゲーテを虜にした「シュヴァルツ」(ラガービール)

ドイツ語で「黒」を意味するシュヴァルツは、詩人・ゲーテがこよなく愛した黒ビール。

ローストした麦芽の香ばしさとチョコレートのようなアロマ、シャープな飲み口が魅力です。

■おすすめペアリング
肉料理
ジャーマンポテト

 

あなたは英国派?それとも米国派?「ペールエール」(エールビール)

発祥国のイギリスで長く愛されてきたトラディショナルなビールがアメリカに渡り、「アメリカン・ペールエール」や「IPA(インディア・ペールエール)」が誕生しました。

イングリッシュは紅茶のようなアロマ、アメリカンはフルーティーなアロマを楽しめます。

■おすすめペアリング
シェパーズパイ
カルパッチョ

 

力強い漆黒のビール「スタウト」(エールビール)

英語で「強い」を意味する通り、風味や苦みが強く、比較的アルコール度数も高い黒ビールです。

「ドライ・スタウト」が主流ですが、乳糖の甘みを生かした「ミルク・スタウト」や牡蠣エキスを使った「オイスター・スタウト」などユニークな亜種が生まれています。

■相性のいいおつまみ
スペアリブ
牡蠣

【参考:「【早見表】クラフトビールの種類とは?特徴や選び方について」

 

軽井沢のビールシーンを牽引する大手2社

軽井沢の土産店に必ずといっていいほど置いてあるのが「ヤッホーブルーイング」と「軽井沢ブルワリー」のクラフトビール。

町内の飲食店でもかなりの確率で出合うことができますよ。

2社それぞれに、ミッションとビジョンを掲げ、軽井沢のクラフトビール界を牽引しています。

 

伝説的ヒット商品を生み出し続ける「ヤッホーブルーイング」

引用:ヤッホーブルーイング

「ビールに味を!人生に幸せを!」をキャッチフレーズに、エールビール造りに邁進。

アメリカンペールエール「よなよなエール」や「インドの青鬼」、「水曜日のネコ」など、いずれのブランドも、モンドセレクションをはじめ世界の名だたる賞を総なめにしています。

また、東京都内に展開する公式ビアレストランやファンイベントを通じて、クラフトビールの魅力をPRしています。

ヤッホーブルーイング公式サイト

 

工場見学の後に味わうビールは格別!「軽井沢ブルワリー」

引用:軽井沢ブルワリー

大手ビールメーカー出身のブルワーが結集し、「おいしさを求めて」をテーマに商品を開発。浅間山の伏流水で仕込む「THE軽井沢ビール」が主力ブランドで、「ワールド・ビア・アワード2022」各賞を受賞しています。

佐久市の工場内には日本画家・千住博の作品が展示され、まるで美術館のよう。

工場見学(20歳以上1人500円、要予約)では、美術鑑賞のあとに作りたてのビールを堪能できますよ。

軽井沢ブルワリー公式サイト

 

軽井沢ビール界に新風を巻き起こすマイクロブルワリー

軽井沢町内に続々と誕生するマイクロブルワリーも見逃せません!

小規模なだけに「造り手の顔が見える」「テイストから造り手の個性が感じられる」という声も。

お店によっては量り売りやパブ営業を行っているので、気軽に立ち寄ることができますね。

 

「カルテットブルーイング」

アメリカで醸造を学んだオーナーが、2020年、軽井沢本通沿いに設立したブルワリー。

社名の「カルテット」には、「主原料である麦芽とホップ、酵母、水が、美しいハーモニーを奏でるように」との想いが込められています。

ブロンドエールの「エルダーフラワーエール」と「エクターナルスタウト」が、「ジャパン・グレートビア・アワーズ2022」で賞を獲得。

フード持ち込みOKのタップルームを併設しているほか、量り売りも行っています。

カルテットブルーイング公式サイト
住所/軽井沢町軽井沢1277-15 YS軽井沢1F
電話/0267-31-5493

 

「GOOD AFTERNOON」

炭火焼鳥の人気店「bird」とビストロ「酒場8」のオーナーが、長年の夢を実現しブルワリーを開設。

1階に醸造所、2階にタップルームがあり、小粋な料理とクラフトビールのペアリングを楽しめます。

GOOD AFTERNOON公式Instagram
住所/軽井沢町中軽井沢6-9 karuizawa Q 2F
電話/080-9646-0505

 

「ココノホップ株式会社」

新潟市「エチゴビール」の協力を得て、2014年からオリジナルビールを販売。

「個々のビールの個性を大切にしたい」と、「ココノホップ」という社名を付けたのだそう。

「KOKAGEビール」と「オットンオーガニックビール」という2つのブランドを展開。

どちらも、麦芽とホップだけを使い、自然発泡製法で醸造したモルト100%ビールです。

ゆくゆくは自社ブルワリーを開設予定とのこと、期待が高まりますね。

ココノホップ株式会社公式サイト
住所/軽井沢町長倉1777-16
電話/0267-46-9366

 

軽井沢ライフのさまざまなシーンに寄り添うクラフトビール

クラフトビールのおいしさを一層引き立ててくれるのが、軽井沢ならではのシチュエーション。

さまざまなシーンにクラフトビールがぴったり寄り添ってくれます。

たとえば、昼間テラスで仲間と集う時にはさわやかなピルスナーを、夜、映画鑑賞しながらゆっくり味わうなら高濃度の黒ビールを選んでみてはいかがでしょうか。

ベストプランニングでは、クラフトビール好きのための空間もご提案します。

 


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