- 施工例 -
家族みんなで楽しめる、古屋のような週末別荘
都内で音楽関係のお仕事をされているお施主様。
軽井沢に小さなお子様もわんちゃんも、家族みんなで楽しめるユニークな別荘を計画されており、物件探しから設計・施工までをトータル的にお手伝いさせていただきました。
ユニークといえば、まず目に留まるは外観のフォルムです。
物件購入当初、構造材の腐食が酷く、基礎の劣化も見受けられたため、一時は解体も検討される程でした。
しかし、今の軽井沢の条例では新築することのできないカナディアンハウスの個性的なフォルムに魅力を感じているお施主様。
そこで、このフォルムを残しながらリノベーションをすることに。
こちらの物件は「アーチ工法」で造られており、Before写真1枚目からも分かるように構造材自体が特殊なアーチ状の形をしています。
「普段扱うことのない構造材の補強に苦戦しましたが、大きな経験値を得ることができました。」と担当者。
基礎と構造材を補強すると同時に、仕上げ面と既存壁の間に断熱材を入れることで、アーチ状の構造材を見せる仕上げにはできなかったものの、カナディアンアハウスの個性的なフォルムを残しながら、年間を通じて快適に過ごせる空間となりました。
室内にもユニークな工夫が凝らされています。
リビングには子供も大人も大好きなハンモックが。
ゆらゆら揺られながら開放的な大きな窓越しに、四季折々の景色を眺めることができます。
寝室の引き戸の中には二段式になった隠れ小屋のようなロフト。
子供ならちょうど、かくれんぼをしたくなるような高さです。
軽井沢でも音楽に触れることができるように、2Fには防音室を完備。
壁内や建具内に吸音材・遮音シートを施工する他に、建具周りにも隙間が生じないようパッキンや遮へい板を設け、最大限防音性に配慮しました。
玄関からリビング全面にかけて広がるウッドデッキは、室内でフラットな土間と繋がっており、別荘の屋内外を回遊できる動線が可能に。
これなら外でわんちゃんと遊んだ後も、汚れを気にせず室内に入ることができます。
また、室内には1Fリビングを見下ろすことのできる吹き抜けもあり、別荘全体で縦・横の両方向への繋がりを感じられる造りとなっています。
軽井沢の寒さをしのげるように、土間に設置したのはペレットストーブのハーマンXXV。
薪ストーブにも負けない暖かさに加え、操作性・デザイン性も兼ね備えた1台です。
外観・内観とも落ち着きあるダークトーンでまとめられており、軽井沢の景観に溶け込みながらも、残したフォルムのおかげで存在感を放つ仕上がりとなりました。
お施主様の個性豊かなインテリアとも相性抜群です。
こうして、解体を待つばかりだったカナディアンハウスは、家族みんなで楽しむことのできるユニークで遊び心ある別荘に生まれ変わりました。
音楽と建築。
どちらも構造があって、数学も使う。
空間のつくりが音に影響を与える。
異なるジャンルでありながら、実は密接する両者。
そんな関係性にあるお施主様と弊社の感性がぴたりとはまり、作り出すことができた素敵な別荘となりました。